3月7日土星が魚座へ 夢見る大人になるために

3月7日夜、土星は水瓶座を卒業して魚座へと進みます。土星は12星座をおよそ30年で一周する天体。一つの星座に2年半から3年弱、滞在します。

2020年の春から始まった土星水瓶座の期間は、コロナによる生活の制限があったからなのか、なんだか長く感じられました。マスクの着用義務が外れるタイミングとも重なって、やっと終わるのか…という、ちょっとした安堵がありますね。

ただ、あまりにも耐え忍ぶ期間が長くて、じっと我慢してやり過ごすことに、なんだか慣れてしまっているのも事実。洞穴生活にやっと目が慣れてきたというところなのに、突然、ぱあーと光が差し込み、「土星水瓶座時代は終わりました!明日かららは自由!洞穴から出ましょう!」なんて言われても、心も頭もついていかない人が大半ではないでしょうか。いくら風の時代といえども、私たち、そんな単純な生き物ではありません。この春は、時代の移り変わりの柔らかな訪れを願うばかりです。

|土星の影響

さて、話を土星魚座に戻しましょう。まず、土星について。土星というのは、まさしく教育者のような天体で、私たちに何かを諭し、課題を与え、それをクリアしたものには褒美を与えるという(若干うざったい)性質を備えた天体です。土星が滞在する星座の意味を紐解けば、私たちがその期間で学ぶべき事柄について、何かしらの手がかりがあると考えられるわけですが、それでは、土星水瓶座の課題はどのようなものだったのでしょうか。そして、これからやってくる土星魚座の課題とはなんなのでしょうか。

|土星水瓶座の課題

水瓶座は自分の頭で考えることを大切にしていて、誰かに言われたことでもなく、一般的に良しとされていることでもなく、それぞれがそれぞれの考えで決断や行動を重ねていくことこそ健全で、あるべき姿と考える星座です。

しかし、土星水瓶座時代では、水瓶座が良しとする生き方を阻むものが現れます。自立心旺盛な水瓶座でも、今は自分の考えを心の奥にしまって、流れに身を任せるしかない。黙って耐えるしかない。自分らしさの根っこに関わるものを、表にあらわすことは控えておく。そんな考えに陥るほど厳しい状況に直面してしまいます。ただし…そんな時でもあっても、自由を求める心を完全に忘れてしまってはならず、厳しい制約があっても、そこから何かを見出し、自分の糧にすることを求めるのが土星先生。自由を制限されると、かえって自由の輝きが増すような気がしますが、土星水瓶座時代とはまさしく、奪われたからこそ、その本当の尊さが痛いほどに感じられる。そんな時期だったと思います。

|土星魚座の課題

土星魚座の課題は「現実からの逃走」です。乗り越えるべき問題が次から次へとやってくるとき。厳しい現実に向き合う力が出ないとき。空想は、私たちの心を優しく守ってくれますが、その空想との向き合い方に、土星先生の指導が入るのではないかなと思います。

ネットフリックスや漫画を頼りに逃げ込む空想の世界には、痛みや苦しみを和らげる麻酔のような効果がありますね。でも、どこかで、この空想の世界というのはかりそめであって、一時的な気休めに過ぎないことはわかっています。いつまでも、この世界にはいられない。どこかで切り上げて、ここから飛び立たなくてはなりません。いつかは、現実に向き合う時が来る。それはわかっている。

もしかすると、空想の世界で羽を休めて次に向かうパワーを得ることというのは、空想と現実を切り分けられる大人の特権なのかもしれません。区切りをつけて、あたたかくて心地よい場所から外に出るのは、けっこうしんどいことです。この先に待ち受けているものを正しく認識して、自分がどこに向かうべきかを知っていなければ、決心はつかないでしょう。土星は魚座を通して、今ここにある心地よさよりも、厳しさを乗り越えた先にある何かを選ぶためには成長と成熟が必要であることを、さまざまな形で私たちに伝えてくるでしょう。

これまで、もう長いこと、あたたかい空想の世界にいる人は…土星魚座の3年で、自分で区切りをつけて夢を終わらせることを迫られるかもしれません。そんなに空想の世界と仲良くしてないよ、という人も、この3年の間で、目を覚まさなければならないことがあることに気づくかも。わたしたちはこれからやってくる土星魚座の3年でどんな夢から覚めるのでしょう?

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