仕事にするなら好きなことを

SMAS占星術スクール代表・太田理恵のシリーズ連載「私が占星術を仕事にできた5つの理由」ひとつ目は”仕事にするなら好きなことを”について。


私が占星術を仕事にすると決めたのは2016年。今からだいたい7年前のことです。当時は結婚していて、そのときの旦那さんの転勤でそれまで勤めていた公的機関を退職することになったり、引越し先のハローワークに行っても、気になる求人が見つからなかったりと、色々ときっかけはありましたが、どうして占星術を仕事にしたの?という質問に答えるとしたら「好きだったから」としか言いようがありません。シンプル笑。
でも、この「好き」というパワーがなかったら、何も始まらなかった。だから、「好き」って偉大ですよね。私はずっと好きなことをしていたかったから、占星術師になったんです。

どんな分野でも”すごい人”というのは、ひとつのことに何千時間も費やしています。どんな分野だって、とりあえず”すごい人”になれば食べていけるんじゃないかなあと思っていたから、何千時間という時間を占星術に費やすにはどうしたらいいだろう。まずはそんなことを考えました。例えば、2000時間を目標にするとしたら、1日6時間休みなく取り組んでほぼ1年かかる。だったら、とにかく仕事みたいに毎日8時間くらい占ってれば、1年経たずに、プロ占星術師のスタート地点には立てるんじゃないか。そんなわけで、無職になったのをいいことに、無料でもなんでもいいからお客さんに来てもらって、フルタイムで働いている風に占いまくる。そんな生活を始めたのが2016年でした。

占星術師として食べていけるレベルになるために、占星術を仕事にする。なんだか卵が先か鶏が先かみたいな話なんですが、その考えは全然間違ってなかったと今でも思っています。占星術師になるためには、占星術師になるしかない。そうとしか言いようがない。

占いの世界は、自分のデビューに太鼓判を押してくれる人がいないことの多い世界です。自信があろうとなかろうと、とにかく、自分で覚悟を決めて本番の舞台に立つ。それを続けていく。お客さんの前に立ったら、一人きりです。逃げ場はありません。あんまりよく知らない人に、なんとかかんとか、人生の指南をするのが仕事です。お客さんの方がものをよく知っていることもあるし、経験豊かということも当然あるけど、そんなのお客さんには関係ない。こちらが若かろうが、経験がなかろうが、とにかくお客さんに何かをお持ち帰りいただかなくてはなりません。そして全力で頑張ったとしても、空振りの日もあるし、ときにはブーイングをいただく日もあるかもしれない。でも、それも一人で受け止めていく。楽しいことばかりじゃないからこそ、「好き」でなければ、続かないんじゃないかなと思います。

学んでいるけど、なかなかデビューできない人は、ここの覚悟ができないという人が多いです。そして、デビューしたとしても、お客さんの反応に耐えられなくて、続かない人も多いです。

占い師という仕事は、資格もいらないし、初期費用もそれほどかからない。勉強代とパソコン・スマホがあれば参入できてしまうので、”気軽にトライできるお小遣い稼ぎの定番”のようなイメージも作られ始めているのかなと感じるのですが、案外、心がタフでないと続かないですし、かつ、人の心に寄り添う繊細さも持ち続けなくてはなりません。資格がいらないということは、自分がプロとして活動する際に拠り所とできるものがないということでもありますから、実はなかなか厳しい実力勝負の世界でもあります。勉強してはみたものの、デビューさえなかなか踏ん切りがつかないという方もけっこう多いのではないでしょうか。

始めなければ始まらない。占い師のスタートってそんな感じなので、周りに上手にナビゲートしてくれる人がいないと、困惑したり、動けなくなったり、先伸ばししたりっていうのが多くなって、なかなか前に進まないことが多いかなと思います。次回は、「好き」の次に大切な、「仲間」について書いていこうと思います。

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